岩下栄一の県政人語

岩下栄一の県政人語6.30  地球温暖化対策を問い直す(一般質問・Q2)

  • 2025.6.30

2 改めて地球温暖化対策について
(1) ゼロカーボン社会の推進について

【質問(岩下)】①熊本県は、蒲島県政4期目の最後に、2025年CO2排出実質ゼロを目指し、対策を打ち出した。第六次熊本県環境基本計画における重要テーマとして、ゼロカーボン社会の推進をうたっており、省エネルギーの推進、エネルギーシフト、電気のCO2ゼロ化、その他のCO2実質ゼロ化の四つの戦略を位置づけている。計画策定から約四年を経た現在、この成果をどう評価しているのか。
②2023年の世界のCO2排出量は571億トンと過去最高となり、世界の平均気温は上昇中である。日本では、脱炭素社会に向けた産業の転換などを議論するグリーントランスフォーメーション実行会議を首相中心に開催し、国際社会における役割を果たそうと取り組んでいるが、本県は今後どのように対応するのか。

【答弁(環境生活部長)】①県では、2030年度の温室効果ガス削減目標を2013年度比で50%削減と掲げており、最新の2022年度実績で23.3%削減となっている。家庭部門では省エネ家電への買換えが進み、比較的順調に削減できている一方、産業部門では大量のCO2を排出する設備が多く、削減が容易ではない。今後、さらに各分野における対策を強化していく。
②来年度は環境基本計画の改定を予定しており、各種統計等を反映した将来推計を行い、世界や国、他県の動向も踏まえ、必要な取組を整理する。また、産業部門の温室効果ガス排出量削減を促進するため、省エネ設備等への転換に向けた技術面、金融面のサポート体制を構築するなど、より実効性を高める取組を進める。

(2) 再生可能エネルギーについて

【質問(岩下)】太陽光発電は世界的に導入拡大が進み、脱炭素の主力電源となりつつあるが、近年、地域との共生の課題が顕在化し、地上設置による土地の制約が生じている状況。そのような中、太陽光発電のさらなる活用を可能とする次世代型太陽電池が注目されている。その代表格のペロブスカイト太陽電池は軽量で柔軟であり、これまで設置困難だった場所にも導入可能である。県は再生可能エネルギーの導入推進を掲げているが、次世代型太陽電池の導入にっいて、県としてどのように取り組んでいくのか、商工労働部長にたずねる。

【答弁(商工労働部長)】ぺロブスカイト太陽電池は、これまで設置が進んでいなかった既存建物への導入など、様々な可能性があると期待している。軽量化により耐震上の不安が解消されることで、より多くの建物に導入され、電力を使用する地域での発電が増加し、郊外の開発が抑制されるなど、熊本の自然、景観の保全と再エネ活用の両立にっながると期待される。県では、まずは既存の県有施設を用いて、設置できる場所や範囲などの可能性調査を行う。また、今後の中長期的な脱炭素の取組を検討するため、次世代型太陽電池による再エネ導入可能量を把握する取組を進める。

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