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【特別寄稿】「あの日、あの時」(岩下栄一)

有人潜水調査船「しんかい2000」を想起

 科学技術の発展で、深海や宇宙への旅が可能になった。しかし危険はつきものである。カナダ沖に沈没したタイタニック号の見学ツアーをしていた潜水艇の遭難事故で、乗員全員が死亡した。海底4000メートルの深海だ。そこで岩下が、鹿児島錦江湾で海洋科学技術センター(初島)が運用していた有人潜水調査船「しんかい2000」の海底ツアーを思い出した。当時衆議院の科学技術委員であった岩下は、科学技術庁のOBでもあり、招待も受け、田中秘書とともに参加した。錦江湾の海底には熱水が噴出し、原子動物である環形動物が生息しているが、生命の起源といわれているそれを視察しようという趣旨であった。海洋開発や宇宙開発は高度の科学技術が鍵であり、相当の研究と努力が必要であるとつくづく思った。あの頃のことを北大西洋の潜水艦事故を見てあらためて思い起こした。

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